【何が変わるのか】スマホなどの速度表記に「実測値」が盛り込まれます
総務省が通信速度の表記に関する新たなガイドラインを提案
「総務省は、広告などで表示するスマートフォンの通信速度を、実際に計測した速度(実効速度)で表示するように大手携帯電話3社に求める。」
読売新聞でこんな文言を目にしました。
早ければ年内から適用がされるとの事でしたが、適用された場合キャリアとユーザーにはそれぞれどんな影響が出るのでしょうか。
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理論値(理論上の速度)と実測値(実行速度)とは
そもそも、なぜ総務省は大手3社(ドコモ・au・SoftBank)に対してこのような表示方法を求めるのでしょうか。
それは、通信速度の理論値と実測値に今まで大きな乖離がうまれていたからです。
理論値とは、「全ての条件が完璧にそろった場合に、計算上期待出来る最大速度」と言うものです。
実測値とは、「実際に測定した結果、記録した速度」になります。
つまり、理論値よりも実測値の方がより信憑性のある情報となり、ユーザーにとって大事なのは実測値なのです。
しかし、実測値は電波環境や1つのアンテナでカバーしている人数、端末のスペックなど様々な条件が重なるため、一概に示すことができません。
そのため、各キャリアは【理論値】でスマホ通信速度の速度訴求をしてきたのです。
「最大225Mbps」「最大150Mbps」「最大75Mbps」などの表記はすべて理論値です。
実測値表示でキャリアにとってどんな影響がでるのか
実測値表記をした場合、各キャリアの通信設備状況がより浮き彫りになります。
例えば、「このスマホはLTE 最大150Mbps対応」と言う表示で3社横並びだったものが
A社 「最大150Mbps 実測値20Mbps~70Mbps」
B社 「最大150Mbps 実測値60Mbps~90Mbps」
C社 「最大150Mbps 実測値10Mbps~15Mbps」
と言うような表記に変わるという事です。
今まで同じ通信規格だからどこの会社でも同じ表記でよかったものが、会社毎に実際は違うんだという事がユーザーに見える形になります。
現在も、第三者機関による速度比較調査などは行われていますが、キャリア自らが公表するとなるとやはり状況が違います。
各キャリアも相当な覚悟が必要でしょう。